ここあみるくのブログ

閲覧者様に上手く伝わるように努力した記事を伝えられたらと思います

36年間続いた中国の「一人っ子政策」は結局、社会に何をもたらしたのか


 中国は転換点を迎え、2022年に人口が減少する事態を迎えた。人口統計学者が今世紀中は続くと予測する長い下り坂の始まりだ。過去7年間では、2016年に1800万人だった出生数が、22年には半分近い960万人に減少した。たとえ出生率が下げ止まったとしても、2100年までには中国の人口は50%以上減少するだろうと、専門家たちは予測している。  中国の人口逆転のスピードを理解するには、時計の針を1970年代に戻す必要がある。当時の世界は、マルサス人口論が予測する人口爆発を恐れていた。中国では長年、毛沢東が国力増強のために出産を奨励してきたため、ことに危機感が強かった。鄧小平を筆頭とする当時の新指導部は、人口の急増で経済成長が止まり、再び飢饉になることを恐れた。  その流れで導入されたのが、一人っ子政策という壮大な社会実験だ。子どもの数という最も個人的な判断を、政府に指図される状況が36年間続いた。指導者たちは、一人っ子政策によって4億人超の出生が抑制され、地球全体の環境負荷が大幅に軽減したと主張する(明確な証拠はない)。  一方、一人っ子政策に対しては批判も多い。厳しい産児制限は、無数の強制不妊手術や堕胎による性別の選択、新生児殺しを引き起こしたと指摘する声もある。さらに男性と高齢者が多く、若者が少ないという人口が偏った状態をつくり出してしまった。