ここあみるくのブログ

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大阪駅新ホーム 経済効果は大

JR西日本が18日、大阪駅の新地下ホームを開業した。関西国際空港や和歌山方面を結ぶ特急が停車し、奈良方面に向かう路線も乗り入れる新ホームに、沿線自治体は高い経済効果を期待する。ホームが設置される再開発地域「うめきた2期(グラングリーン大阪)」は令和7年の大阪・関西万博開幕までに主要部分の整備を終える予定だが、同地域の発展が進めば新ホームの役割はさらに重要度を増す「新ホームが開業すれば、『大阪環状線』から乗り換え1回でJR淡路駅に来ることができる。うめきたが発展すれば人の流れがさらに増大する」 大阪駅から3駅の距離にあるJR淡路駅が位置する大阪市東淀川区。同区のまちづくり部門担当者は18日の開業に期待を寄せた。同駅を通る「おおさか東線」はこれまで新大阪駅止まりだったが、新ホーム開業で環状線が乗り込む大阪駅まで延伸された。 JR淡路駅大阪駅に直結するほか、周辺では阪急電鉄淡路駅を高架化する工事も進む。交通の利便性の向上により、大阪都心部に通勤する住民の増加なども見込まれ、地域の不動産業者は「周辺の地価は過去5年で1~2割上昇した。賃貸住宅の引き合いも活発化している」と指摘する。 新ホームが位置するうめきた2期は令和6年夏の先行まちびらきで大型都市公園の整備をほぼ終え、大学や企業が集積する「中核施設」も開業。万博が開幕する7年春までには、米ヒルトンの最上級ホテルや国際会議場なども開業する。 関西を訪れる訪日外国人(インバウンド)は従来、買い物を主目的とした短期滞在型の客や、廉価な宿を好むバックパッカーなどが多かったが、うめきた2期が誘客を狙う客層は明らかに異なる。新ホームに特急「はるか」が停車することにより、関空から大阪駅への移動時間も約20分短縮され、大阪駅は訪日客がより集まりやすい場所になる。 期待は他県の自治体でも高まる。「訪日外国人はJRで奈良に来るケースが多い。奈良と大阪を結ぶ臨時特急も計画され期待は大きい」(奈良市の担当者)「観光客流入に期待する。街の魅力を知ってもらえる」(和歌山県内の自治体関係者)との声が上がる。 新ホーム開業については、関西経済同友会の角元敬治代表幹事(三井住友銀行副会長)も18日、「国内外の人的交流促進に資する交通インフラ整備が進んだことを心より歓迎する」とのコメントを発表した。 ただ、施設建設や交通インフラ整備だけで人流を最大化できるとはかぎらない。ソフト面などでも、うめきたの魅力をいかに磨き拡大できるかが問われる。 りそな総合研究所の荒木秀之主席研究員はその点で、うめきた2期に約4・5ヘクタールの大型都市公園が開設される点に着目する。荒木氏は「(短期間滞在して買い物をする)商業都市のイメージが強かった大阪市中心部が、新公園の開設で長期間滞在したいと思える空間になる」と述べ、公園がうめきたの人流拡大へ重要な役割を担うとみる。同公園はイベントのための大型施設なども整備される。観光客がうめきたに長期間滞在すれば消費が増大し、高い経済効果が期待できる。 大阪の〝最後の一等地〟うめきたの開発について荒木氏は「逆に言えば、ここで失敗は許されない」と述べ、「万博後も関西に刺激を与え続ける地域になれば、新ホームも重要性が一層増す」と指摘した。