ここあみるくのブログ

閲覧者様に上手く伝わるように努力した記事を伝えられたらと思います

「闇バイト」転落の入り口

若者らを犯罪に誘い込む「闇バイト」について、政府の犯罪対策閣僚会議が17日、緊急対策に取り組むことを決めた。ひとたび手を染めれば犯罪組織から抜けられなくなり、人生を台無しにする。安易に募集に応じないよう、若者らに対する啓発の強化が急務だ。

 「一人暮らしをしている家族と連絡がつかない」。東京都内のアパートに住んでいた20歳代の男性について、警察に行方不明届が提出されたのは2021年5月のことだった。
 警視庁が男性の生活状況を調べたところ、多額の借金を抱えており、SNSの闇バイトに応募して特殊詐欺グループの一員になっていた。さらに、詐取金の「持ち逃げ」を疑われ、組織から追われていた。
 行方がわからないまま月日が流れたが、同年10月、大阪府警から警視庁に「男性が死んでいるかもしれない」との情報が寄せられた。府警に逮捕された特殊詐欺グループの男が、男性の名前を挙げて「やばいことをやってしまった」と漏らしたという。
 その後の警視庁の調べに男は「(男性は)高尾山で死んだ」と明かした。男の供述に基づき、東京都八王子市の高尾山の山中を捜索したところ、同年11月、白骨化した男性の遺体が見つかった。近くにロープがあり、警視庁は男性が首をつって自殺したと判断した。
 近くのホームセンターの防犯カメラには、死亡した男性と、府警に逮捕された男、別の男の計3人が共にロープを購入する様子が映っていた。警視庁は22年、男性の自殺を手助けしたとして、一緒にロープを買った男2人を自殺ほう助の疑いで書類送検した(後にいずれも不起訴)。
 警視庁は男性が特殊詐欺グループの上役から自殺するよう迫られた可能性もあるとみているが、証拠は得られていない。仲間の1人は警視庁に「首をつった男性の画像がグループ内で共有された」と語ったが、画像も見つかっていない。
 捜査の過程で、男性とは別のメンバーが上役から暴行を受ける様子を撮影した画像は見つかっている。警視庁は、詐欺グループがこうした画像を共有し、末端メンバーに恐怖心を植えつけていたとみている。