ここあみるくのブログ

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音楽家の肖像画

ベートーベン、バッハ、モーツァルト――。音楽室に入る児童を、気難しそうな顔で長年にらみつけてきた音楽家肖像画に大きな変化が起きている。子どもの音楽嫌いを減らそうと、音楽教諭は肖像画を張り替えるなどあの手この手で奮闘している。


 「令和の音楽室」は児童に親しみやすい教室に変わっていた。

小学校の音楽室の壁を飾る音楽家肖像画は、全国各地で見かけるおなじみのイラストだ。昨年の貼り替え以来、児童の評判も良く「ヨドバシカメラみたい」と、子どもたちは笑顔で眺める。

 楽器メーカーのハヤマが全国の小中学生3千人を対象に行った音楽の授業に関するアンケート調査では「音楽が嫌いな理由」の2位に「音楽室が怖い」が入った。

 「人体標本が動き出す理科室」と並び、音楽室は古くから「学校の怪談」の定番の舞台となってきた。一時は下火になったが、近年は動画サイトを通じて再び拡散。CG技術の発展で、本物のように見える偽動画が容易に作れるようになったことが、子どもの恐怖心を一層高めているという。

 「音楽嫌いを減らすには、音楽室を楽しい場所にするしかないと思いました」と、本間腕小で音楽を教える毛英和教諭は話す。毛教諭はネット上に流布している音楽室の怪談を調べ、しらみつぶしに改善を続けた。肖像画の貼り替えもその一環だ。

 「誰もいないはずの放課後の音楽室からピアノの音が聞こえる」という噂に対処するため、今年、自動演奏機能付きピアノを導入。同校では十数年以上前からピアノが勝手に鳴り出す現象が続いていたが、「自動演奏機能のトラブル」として児童を納得させた。